60代 学校・青春
昭和40年代の計算尺|目盛りを滑らせて求めた答え
電卓が教室に来る少し前、理工系の学生は目盛りを滑らせて答えを読んでいました。昭和40年代(1965〜1974年)の計算尺の話です。

目盛りで計算した時代
国立科学博物館のヘンミ計算尺の解説によれば、計算尺は1970年代まで科学や技術の計算に使われていました。対数の性質を利用し、目盛りをずらして掛け算や割り算をする道具です。
ケースから抜き出すと、ものさしよりずっと多くの目盛りが刻まれています。中央の尺をずらし、透明なカーソルを動かして線を合わせる。キーを順に押す電卓とは、手の使い方がまるで違いました。
仕組みは東京理科大学の資料が詳しく、掛け算や割り算を対数の足し算・引き算に置き換えて解きます。目で読む以上、精度には限りがあり、桁の見当は自分でつけなければなりません。道具に任せるところと、頭で考えるところがはっきり分かれていました。
細かな目盛りに目を凝らす。尺がわずかに引っかかりながら滑る。机にケースを置く小さな音。計算の記憶は、覚えたはずの式よりも、指先のほうに長く残っています。
学科や授業によっては、まったく縁のなかった人もいます。逆に毎日使っていた人なら、ケースに書いた名前や、尺を押さえるときの指の位置まで覚えているかもしれません。計算尺は自分で選びましたか、授業に合わせて用意しましたか。
思い出すきっかけ
- 初めて目盛りがぴたりと合ったのは、どの授業でしたか。
- 読み方を教えてくれた先輩や友人の顔は浮かびますか。
- ケースの色、名前の書き方、角のすり減り具合。手元に残る細部はありますか。
出典と編集方針
計算尺の仕組みと使われた時期は、国立科学博物館と東京理科大学の資料によります。教室の場面は、当時の学習の様子を思い描いて書きました。
- 国立科学博物館:ヘンミ計算尺
- 東京理科大学:計算尺のしくみ
- 編集確認日:2026-09-08