あアノコロ記憶のタイムマシン
70代 街・暮らし

昭和30年代の洗濯板|水場でこすった白い布

電気洗濯機が家に来る前、洗濯は水場での手仕事でした。昭和30年代(1955〜1964年)の洗濯板とたらいを振り返ります。

井戸端の木のたらいと洗濯板、石けんと白い布を描いたAI再現画像
井戸端の木のたらいと洗濯板、石けんと白い布を描いたAI再現画像(イメージ)

手で洗っていたころ

名古屋市博物館の解説によると、電気洗濯機が家庭に広まったのは昭和30〜40年代のことです。それまでの洗濯を支えていたのが、木の洗濯板とたらいでした。切り替わった時期は家ごとに違うので、板と洗濯機の両方を覚えている人もいます。

たらいに水を張り、布をぬらして板の凹凸に押しつけ、何度もこする。すすいで、絞って、また次の一枚。ほとんどの工程が手仕事でした。水場が遠ければ、水も洗濯物も運ばなければなりません。

水を吸った布はずしりと重い。石けんの泡が指のあいだに残り、板にこすれるたびにしゅっ、しゅっと音がします。夏は気持ちよくても、冬の水は手にしみたことでしょう。

昭和館に収蔵されている洗濯板を見ると、懐かしさと一緒に、それを毎日使い続けた人の労力が伝わってきます。洗濯機が来たあとも、小さな汚れ物だけは板で洗い続けた家がありました。

たらいはどこにしまわれたのか。板はその後、何に使われたのか。導入の年を覚えていなくても、道具の行方から家事の移り変わりをたどれます。水場のそばで手伝ったこと、洗い終わった布を運んだことはありますか。

家の一日を思い出す手がかり

  1. 板に向かっていたのは誰でしたか。その後ろ姿を思い浮かべてみてください。
  2. 洗った布を物干しまで運ぶ道順を、頭の中でたどってみましょう。
  3. 洗濯機が来た日のことで、覚えている場面はありますか。

出典と編集方針

電気洗濯機が広まった時期は名古屋市博物館、洗濯板については昭和館の収蔵品解説によります。洗濯の場面は、当時の家事を思い描いて書きました。