プリントゴッコの歴史:家庭で年賀状を刷る作業が、年末の記憶になった
年賀状を作る道具として、プリントゴッコを覚えている人もいるでしょう。文字や絵の版を用意し、インクを置き、同じ図柄を一枚ずつ刷る。画面から印刷を指示するだけとは違う工程が、完成したはがきと一緒に記憶へ残る道具でした。
1977年に登場した家庭用簡易印刷機
理想科学工業は1977年にプリントゴッコを発売しました。メーカーは、製版と印刷を一つの機構にまとめた家庭用簡易印刷機として紹介しています。家庭での年賀状づくりだけでなく、布への印刷にも使われました。[出典1・2]
学校で使う謄写版と同じ記事にはまとめず、ここでは家庭での作業を中心に振り返ります。会社や学校で多くの紙を刷る場面と、家族が年末にはがきを作る場面では、道具を使う目的も、完成品を渡す相手も異なります。
発売・本体販売終了・事業終了を分けて読む
| 時点 | メーカー資料で確認できること |
|---|---|
| 1977年 | プリントゴッコ発売 |
| 2008年6月末 | 本体の販売終了 |
| 2012年12月28日 | プリントゴッコ事業終了 |
本体の販売終了と、事業が終了した日を混同すると「いつなくなったか」の答えが変わります。メーカーの回顧展示と終了案内を分けて確認できます。[出典1・2] これらの日付から、各家庭が使うのをやめた年まで分かるわけではありません。
一枚の年賀状を、工程から思い出す
| 工程 | 思い出を確かめる問い |
|---|---|
| 図柄を決める | 手書きの文字、絵、誰に送るはがきだったか |
| 版を用意する | 大人と子どもで、どの作業を分担したか |
| 色を決める | 何色を使い、同じ版で何枚作ったか |
| 刷ったものを並べる | 完成品をどこへ置き、宛名はいつ書いたか |
これは思い出を聞くための問いで、特定の家庭への取材結果ではありません。手元に古いはがきや道具があるなら、機種名と使った頃を一緒に記録すると、製品史と自分の経験を分けられます。ランプやインク容器の記憶も、残っている説明書や実物と照合してみてください。
パソコンの印刷とは、作業のまとまり方が違う
プリントゴッコでは、版を作ることと、その版で複数枚を刷ることが一続きの作業になります。図柄を変更したいときも、画面上の文字を直すだけとは違います。この工程の違いを考えると、なぜ年賀状づくりの道具として記憶に残りやすいのかを話しやすくなります。
メーカーの回顧は、パソコンや家庭用プリンターの普及と需要の変化にも触れています。[出典1] ただし、すべての家庭が同じ順番で道具を買い替えたと決め付けず、使い続けた人、店で印刷した人などの違いも残します。
古い道具を見つけたとき
外観だけで動作可能と判断したり、古い消耗品が今も安全に使えると案内したりはしません。本記事は再稼働や修理の手順ではなく、道具の歴史を振り返る原稿です。写真や説明書を残す場合は、はがきの住所など個人情報が写らないように扱ってください。