あアノコロ記憶のタイムマシン
60代 音楽

昭和44年ごろのエレクトーン|居間に据えた二段の鍵盤

エレクトーンが本格的な普及期を迎えたとされる1969年を起点に、昭和44年〜昭和53年(1969〜1978年ごろ)の、上下二段の鍵盤と足もとのペダルを持つ大きな楽器が家に置かれた記憶を振り返ります。

昭和44年ごろの雰囲気の居間で、レースの布をかけた木目の二段鍵盤の電子オルガンとペダル鍵盤
昭和44年ごろの雰囲気の居間で、レースの布をかけた木目の二段鍵盤の電子オルガンとペダル鍵盤(イメージ)

60代の時間軸

ヤマハの「エレクトーンの変遷」によると、最初のエレクトーンD-1は1959年12月に発売され、価格は35万円でした。1960年代にはB-1やE-1などラインナップが増え、1964年にエレクトーンコンクールが始まり、1969年には「メイトコース」と「エレクトーン演奏グレード」も始まって本格的な普及期を迎えたとされています。1970年代には音色や機能を充実させたエレクトーンが広く一般家庭に普及し、1972年には初めてオートリズムを内蔵したD-3Rが発売されました。 この記事では「昭和44年〜昭和53年(1969〜1978年ごろ)」を、資料で確かめられる発売・開始の時期と、暮らしの中でエレクトーンに触れた時期が重なる目安として扱います。地域、家庭、学校、手に入れた時期によって体験は変わるため、同じ世代なら同じ思い出があるとは決めつけません。

当時の使い方を思い出してみます。上の鍵盤で旋律、下の鍵盤で和音を押さえ、足もとのペダルで低い音を足しながら一曲を組み立てました。家の人が弾く横で、音色のつまみやスイッチを触ってみたかったという人もいます。

エレクトーンがあった場所は一つではありません。居間の壁ぎわ、レースの布をかけた本体の上、来客を通す応接間、楽器店の店頭、発表会の舞台袖に置かれていました。 都市か地方か、家や学校の決まり、近くの店の品ぞろえによって、記憶の背景は人それぞれです。

音や手ざわりの記憶として残りやすいのは、木目の本体のつややかな手ざわり、二段の鍵盤を押し分ける指の迷い、ペダルを踏んだときに床から伝わる低い響き、電源を入れたあとの小さなうなりです。年表には残らない感覚をたどると、そのとき近くにいた人の顔まで思い出せることがあります。

いまは電子楽器も小さく軽くなりましたが、家具のように重い楽器を居間に据えて家族の誰かが弾いていた光景は、家の中に音楽の場所があった頃の記憶です。 今と比べるのは、便利になった暮らしを否定するためではなく、当時の手間の中にあった工夫や会話を見つけ直すためです。

エレクトーンを思い出す三つの手がかり

  1. まず、60代のエレクトーンにまつわる「場所」を一つ思い出します。家、学校、駅前、友だちの家など、固有名詞がなくても構いません。
  2. 次に、その場所で一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを一つ添えます。記憶が曖昧な部分は「たぶん」「覚えていない」と書いて大丈夫です。
  3. 最後に、いまの自分へ一言だけ残します。正しい答えを作るためではなく、次に誰かと話せる入口をつくるためのメモです。

思い出の問い家や親戚の家で見たエレクトーンの上には、何が置かれていましたか?

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。