昭和57年(1982年)ごろのNECのPC-9801|事務机で鳴ったフロッピーの読み込み音
昭和57年〜昭和61年(1982〜1986年ごろ)のNECのPC-9801を手がかりに、会社や学校の机に大きなパソコンが置かれ始めたころを振り返ります。NECの沿革とAKIBA PC Hotline!の記事で発表の年と仕様を確かめ、フロッピーの音やブラウン管の熱、今との違いをたどります。

60代の時間軸
NECの沿革によると、PC-9801は昭和57年(1982年)10月13日に発表された最上位機種で、16ビットの「μPD8086」(5メガヘルツ)を採用し、128キロバイト(最大640キロバイト)のメモリを内蔵していました。下位機のPC-8000シリーズと周辺機器やソフトを共通にし、オプションでJIS第一水準の漢字ROMも用意され、価格は29万8000円だったと書かれています。AKIBA PC Hotline!は、NECが昭和54年(1979年)にPC-8001を、昭和56年(1981年)にPC-6001とPC-8801を出した流れの中で生まれた機種だと振り返っています。この記事は発表の年を起点にした回想の目安で、どの職場や家にも同じ時期に置かれたわけではありません。
5インチと8インチのフロッピーディスクのつなぎ口を内蔵していたので、ソフトもデータも薄いディスクに入れて差し替えながら使いました。会社では帳票や計算の仕事に、学校ではパソコン部の部室に、家では親が仕事の続きをするために置いたという人もいます。電源を入れてから画面が出るまでを、椅子に座ってじっと待つのが当たり前の時間でした。
蛍光灯の下の事務机、パソコン部の部室、書斎の片隅。ディスクを読むときのガリガリ、カタカタという音、ブラウン管の前に手をかざすとほんのり伝わる熱、キーボードを打つ重い手ごたえ、本体の通風口から出る温かい空気が記憶に残っている人もいるでしょう。ディスクの紙袋をそっと抜く手つきや、部屋に満ちる低い機械の音を思い出す人もいるかもしれません。
いまは薄いノートパソコンやスマートフォンで、ソフトもデータもネットから取り込めます。漢字を出すのに専用の部品を足す必要もなく、記憶の容量は桁がまるで違います。当時は高価な機械で、一台を何人かで順番に使った職場もあれば、ずっと触れずに過ごした人もいました。パソコンが机に来た年は、勤め先や学校によって大きく違ったはずです。
仕事の道具として向き合った人、部活で夢中になった人、家族が使うのを横から眺めていた人。同じ機種でも、画面に映っていたものは人によってまるで違います。読み込みの音だけをよく覚えている人もいるでしょう。あなたがPC-9801の前に座ったのは、どこの机でしたか?
NECのPC-9801を思い出す三つの手がかり
- まず、60代のNECのPC-9801にまつわる「場所」を一つ思い出します。家、学校、駅前、友だちの家など、固有名詞がなくても構いません。
- 次に、その場所で一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを一つ添えます。記憶が曖昧な部分は「たぶん」「覚えていない」と書いて大丈夫です。
- 最後に、いまの自分へ一言だけ残します。正しい答えを作るためではなく、次に誰かと話せる入口をつくるためのメモです。
思い出の問いあなたがPC-9801の前に座ったのは、どこの机でしたか?
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- NEC「NECの歩み(沿革)」
- AKIBA PC Hotline!「日本で最も活躍したパソコンと言えるPC-98シリーズ、その原点となった『PC-9801』」
- 編集確認日:2026-10-25。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。