あアノコロ記憶のタイムマシン
70代 街・暮らし

昭和42年(1967年)ごろの資生堂のMG5|洗面台に並んだ黒と銀のダイヤ柄の瓶

昭和42年〜昭和46年(1967〜1971年ごろ)の資生堂のMG5を手がかりに、父親や兄が鏡の前で髪を整えていた朝を振り返ります。資生堂のニュースリリースと文藝春秋の記事でブランドの発売年と名前の由来を確かめ、整髪料の香りや瓶の手ざわり、今との違いをたどります。

昭和42年〜昭和46年(1967〜1971年ごろ)の資生堂のMG5を再現したイメージ。白いタイルの洗面台に置いた、黒と銀のダイヤ形の模様の無地の瓶と、そばの黒いくし。
昭和42年〜昭和46年(1967〜1971年ごろ)の資生堂のMG5を再現したイメージ。白いタイルの洗面台に置いた、黒と銀のダイヤ形の模様の無地の瓶と、そばの黒いくし。(イメージ)

70代の時間軸

資生堂のニュースリリースによると、エムジー5は1967年8月に、時代に先駆けた男性用総合化粧品ブランドとして発売されました。男性の髪と肌に必要なスカルプケア、整髪料、スキンケアをそろえたシリーズのことだと注記があります。名前の「MG」は「Masculine Gender」「Modern Gentlemen」から取り、「ベタベタしない」「テカテカしない」「ソフトに仕上がる」「栄養を与える」「簡単に洗い流せる」という5つの特長から「5」を付けたそうです。黒とシルバーのダイヤカットのパッケージも、この時に生まれました。この記事はブランドの発売年を起点にした回想の目安で、どの家の洗面台にも同じころ並んだという意味ではありません。

文藝春秋の記事は、MG5が「男性の時代」というコピーとともに登場した1967年を、本当の意味での男性美容の幕開けと書いています。朝の出勤前に父親が鏡の前で髪をなでつけていた家もあれば、兄が高校生になって初めて自分の整髪料として買ってきた家もありました。整髪料はつけず水で髪を押さえるだけの人も、床屋で整えてもらうだけの人もいたはずです。

朝の洗面台、銭湯の脱衣所の鏡の前、床屋の棚。手のひらに出したときのひんやりした感触、くしが髪を通るかすかな音、洗面所に残る整髪料のすっとした香り、角ばった瓶の重さと黒と銀の模様。父親が出かけたあとも洗面所に香りが残っていたことを、匂いと一緒に思い出す人もいるでしょう。

ニュースリリースは、ブランド誕生50周年を記念した平成29年(2017年)のオリジナルフレグランスの発売を伝えるもので、商品の説明には「1967年、MG5が男らしさの風向きを変えた。」という一文があります。いまは男性向けの化粧品が棚いっぱいに並び、肌の手入れまでする人も珍しくなくなりました。髪型も整髪料の種類も変わり、朝の洗面台に並ぶ瓶の顔ぶれは、家ごとにずいぶん違うものになりました。

父親の洗面台、兄の机の上、銭湯の鏡の前の備え付け。思い出す場面は、家族の顔ぶれや住んでいた町によって違うはずです。中身を使った覚えはなくても、黒と銀の模様だけは目に残っている人もいるでしょう。あなたが覚えているMG5の瓶は、誰の、どこの鏡の前に置かれていましたか?

資生堂のMG5を思い出す三つの手がかり

  1. まず、70代の資生堂のMG5にまつわる「場所」を一つ思い出します。家、学校、駅前、友だちの家など、固有名詞がなくても構いません。
  2. 次に、その場所で一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを一つ添えます。記憶が曖昧な部分は「たぶん」「覚えていない」と書いて大丈夫です。
  3. 最後に、いまの自分へ一言だけ残します。正しい答えを作るためではなく、次に誰かと話せる入口をつくるためのメモです。

思い出の問いあなたが覚えているMG5の瓶は、誰の、どこの鏡の前に置かれていましたか?

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。