あアノコロ記憶のタイムマシン
70代 街・暮らし

昭和35年(1960年)ごろの森永製菓のムーンライト|満月の形の丸いクッキーを湯のみのお茶と並べた夜

昭和35年〜昭和39年(1960〜1964年ごろ)の森永製菓のムーンライトを手がかりに、家でつまんだ丸いクッキーの記憶を振り返ります。森永製菓のニュースリリース2本とmacaroniの記事で発売の年と森永ビスケットの中での位置づけを確かめ、卵とバターの香りや食感の記憶、今との違いをたどります。

昭和35年〜昭和39年(1960〜1964年ごろ)の森永製菓のムーンライトを再現したイメージ。夜の茶の間の低い丸いちゃぶ台に置いた、白い小皿の丸い黄金色のクッキーと割れたひとつ、無地の小さな箱と緑茶の湯のみ。
昭和35年〜昭和39年(1960〜1964年ごろ)の森永製菓のムーンライトを再現したイメージ。夜の茶の間の低い丸いちゃぶ台に置いた、白い小皿の丸い黄金色のクッキーと割れたひとつ、無地の小さな箱と緑茶の湯のみ。(イメージ)

70代の時間軸

森永製菓のニュースリリースには、昭和35年(1960年)に発売された「ムーンライト」が、「森永ビスケット」シリーズの中でも人気の、同社を代表する主力商品だと書かれています。ふんわりまろやかな卵の味わいが特長で、令和2年(2020年)のリリースでは、発売以来60年にわたって親子のおやつとして親しまれてきたと紹介されていました。macaroniの記事によると、ムーンライトは大正12年(1923年)の「マリー」から始まった森永のビスケットシリーズのひとつで、形は満月をイメージしているそうです。

ムーンライトは、学校から帰ったあとのおやつや、夕食後のお茶うけとして食卓に出てきました。macaroniの記事は、発売のあと、ハードタイプの「マリー派」とソフトタイプの「ムーンライト派」という言葉まで生まれたと書いています。牛乳に浸してやわらかくして食べた人もいれば、紅茶やほうじ茶といっしょに少しずつかじった人もいました。お客さんが来たときにだけ皿に並べる家もあり、その日を楽しみに待っていた子もいたでしょう。

置き場所は、台所の戸棚や茶の間の菓子入れ。箱を開けると、卵とバターの甘い香りがふわりと立ちのぼります。macaroniの記事が書くように、小麦粉と卵と砂糖を中心にした素朴な生地は、歯を当てるとさくりと崩れ、口の中でほどけていきました。机にこぼれた細かなかけらを指先で拾い集めた記憶や、湯のみのお茶の湯気といっしょに思い出す夜の明かりを覚えている人もいるかもしれません。

macaroniの記事によると、ムーンライトは昭和63年(1988年)にクッキー2枚ずつを個包装にしたパッケージへと大きく変わりました。今では青いパッケージの印象を持つ人も多いでしょう。令和6年(2024年)には、小麦と乳を原材料に使わず国産米粉を主原料にした「米粉でつくったミニムーンライト」がAmazonで数量限定で発売されました。同じ名前のクッキーでも、包み方や食べる人に合わせた作り方は、時代とともに変わってきています。

祖父母の家でもらった人、自分のこづかいで買った人、手作りのクッキーと比べて食べた人。ムーンライトの思い出は、家族の好みや近くの店の品ぞろえ、どの時期に食べたかによってさまざまです。箱の色よりも、いっしょにお茶を飲んでいた人の顔を先に思い出す人もいるでしょう。あなたの家でムーンライトが出てきたのは、どんな時間の、誰といっしょのおやつでしたか?

森永製菓のムーンライトを思い出す三つの手がかり

  1. 森永製菓のムーンライトにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。