あアノコロ記憶のタイムマシン
50代 音楽

昭和55年(1980年)ごろのローランドのTR-808|色つきのボタンでリズムを組み立てた小さなスタジオ

昭和55年〜昭和59年(1980〜1984年ごろ)のローランドのTR-808を手がかりに、リズムを機械で組み立てた音楽の現場を振り返ります。ローランドの沿革とニュースリリース、TR-808のストーリーページで発売年と特徴、愛称を確かめ、音の手ざわりや今との違いをたどります。

昭和55年〜昭和59年(1980〜1984年ごろ)のローランドのTR-808を再現したイメージ。橙色の電灯が灯る小さな録音部屋の木の机に置いた、色とりどりの四角いボタンがずらりと並ぶ横長の灰色のリズムマシンと、ふたの閉じたカセットデッキ、巻いた黒いケーブル。
昭和55年〜昭和59年(1980〜1984年ごろ)のローランドのTR-808を再現したイメージ。橙色の電灯が灯る小さな録音部屋の木の机に置いた、色とりどりの四角いボタンがずらりと並ぶ横長の灰色のリズムマシンと、ふたの閉じたカセットデッキ、巻いた黒いケーブル。(イメージ)

50代の時間軸

ローランドの沿革には、1980年にTR-808が発売され、1曲分のリズムを設定できるプログラマブル・リズム・マシンとして「ヤオヤ」の愛称でスタジオなどで愛用されたとあります。同社のニュースリリースは、TR-808を世界で初めて1曲分のリズムを自由に制作することを実現したリズムマシンと紹介し、アナログ・テクノロジーでリアルなドラム・サウンドの再現をめざして、当時のエンジニアが困難を極めて作り上げたと書いています。

TR-808の使い方は、ドラムを叩くのではなく、ボタンでリズムを組み立てることでした。並んだボタンのどれを光らせるかで、バスドラムやハンドクラップを鳴らす位置を決め、組んだパターンをつないで曲の長さのリズムにしていきます。スタジオで作曲家がドラムの代わりに使った場面もあれば、バンドの練習で手の空いた仲間がつまみを回して音色を探した場面もあったでしょう。説明書を片手に、思いどおりのリズムが鳴るまで何度も組み直した人もいたはずです。

TR-808が置かれていたのは、録音スタジオの机や、音楽好きの部屋の片隅。ニュースリリースは、重厚なバスドラムの低音と特徴的なハンドクラップのサウンド、機械的でありながらも独特なグルーブ感が評価されたと書いています。スピーカーの前で胸に響く低い音、乾いた手拍子のような音、本体のボタンに並ぶ色の明るさ。リリースが特製プレートのモチーフに挙げた4色のボタン・カラーを、音より先に思い出す人もいるかもしれません。

ニュースリリースによると、TR-808の音は1980年代以降のヒップホップやハウス、テクノで欠かせないサウンドとなり、毎年8月8日は「808 DAY」と呼ばれて世界中で祝う投稿が行われています。いまはパソコンの中でも同じ音を鳴らせるようになり、ストーリーページではローランドが細部まで再現したというソフトウェア版も紹介されています。本体を前に組んだリズムを、画面の中のボタンで組めるようになったのが大きな違いです。

TR-808の記憶は、楽器に近い場所にいたかどうかで大きく変わります。スタジオや楽器店で実物を触った人もいれば、名前を知らないまま、ラジオやレコードでその音を聴いていた人もいるでしょう。あとから好きな曲の音が808だったと知って驚いた人もいれば、いまも新しい曲の中でその低音に気づく人もいます。あなたが初めてTR-808の音だと気づいて聴いた曲は、どんな場所で流れていましたか?

ローランドのTR-808を思い出す三つの手がかり

  1. ローランドのTR-808にまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。