あアノコロ記憶のタイムマシン
40代 音楽

平成3年(1991年)ごろのローランドのSC-55|パソコンの横で曲を鳴らした小さな音源の箱

平成3年〜平成7年(1991〜1995年ごろ)のローランドのSC-55を手がかりに、パソコンにつないで音楽を鳴らした日々を振り返ります。ローランドの沿革とSound Canvas VAの製品ページで登場の年とGSフォーマットの位置づけ、今に受け継がれた音色を確かめ、机の上の記憶や今との違いをたどります。

平成3年〜平成7年(1991〜1995年ごろ)のローランドのSC-55を再現したイメージ。夜の学生の机で、電源の切れたブラウン管モニターのベージュのパソコンの横に置いた平たい濃い灰色の音源の箱と、黒いヘッドホン、巻いたケーブル。
平成3年〜平成7年(1991〜1995年ごろ)のローランドのSC-55を再現したイメージ。夜の学生の机で、電源の切れたブラウン管モニターのベージュのパソコンの横に置いた平たい濃い灰色の音源の箱と、黒いヘッドホン、巻いたケーブル。(イメージ)

40代の時間軸

ローランドの沿革には、1991年に「サウンド・キャンバス」SC-55が登場し、GSフォーマットの第1号機として、高品位な音質とコンパクトなデザインで大ヒット商品になったと書かれています。GSとは、MIDIシステムを使うときの音源についてのローランドの共通仕様のことです。同じ沿革には、1980年に1曲分のリズムを設定できるリズム・マシンTR-808を出したことも並んでいて、電子の音を身近にしてきた会社の流れの中にこの小さな箱が置かれています。

SC-55は鍵盤を持たない音源で、パソコンや鍵盤からMIDIケーブルで演奏の情報を送ると、その通りに楽器の音を鳴らしました。パソコンの画面で音符を打ち込み、ドラムやピアノ、弦楽器の音を重ねて曲にしていく。雑誌に載ったデータを打ち込んで流行りの曲を鳴らした人もいれば、自分のメロディーを初めて形にした人もいました。同じ仕様にそろえた音源どうしならデータをそのまま鳴らせるので、作った曲を友達と交換する楽しみもありました。

置き場所は勉強机のパソコンの横や、モニターの下の棚。本体は手で抱えられるほどの平たい箱で、前面の小さな表示窓が演奏に合わせて動いたのを覚えている人もいるでしょう。夜はヘッドホンをつなぎ、家族が寝たあとに音を確かめた人もいるかもしれません。ケーブルを差し込むときのかちっとした手ごたえ、長く鳴らしたあとの本体のほのかな温かさ、モニターの明かりだけが灯る部屋。打ち込みに夢中になって、気づけば窓の外が白んでいたという夜もあったはずです。

いまは同じことをパソコンの中だけで済ませられます。ローランドはSound Canvas VAというソフトウェア音源を出していて、製品ページによると、SC-55を含む歴代のサウンドマップが読み込まれ、当時のハードウェア・モジュールで作ったファイルを再生できます。ただし、ミックスのバランスや音色、タイミングはオリジナルのハードウェアとは異なる場合がある、とも書かれています。箱を置き、ケーブルをつないで鳴らした手間ごと思い出す人には、その違いもまた懐かしさの一部でしょう。

SC-55の思い出は、家にパソコンがあったか、音楽を作る仲間が近くにいたかで大きく変わります。部活の先輩に教わって始めた人もいれば、パソコン雑誌だけを頼りに独学で打ち込んだ人もいるでしょう。曲を作るための道具だった人もいれば、ゲームの音楽をきれいに鳴らすための箱だった人もいました。あなたがSC-55で初めて鳴らした曲は、誰かの曲でしたか、それとも自分で打ち込んだ曲でしたか?

ローランドのSC-55を思い出す三つの手がかり

  1. ローランドのSC-55にまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。