昭和43年(1968年)ごろのナカバヤシのフエルアルバム|台紙を足して厚くなっていった居間の家族写真
昭和43年〜昭和47年(1968〜1972年ごろ)のナカバヤシのフエルアルバムを手がかりに、現像した写真を家で一冊にまとめていた暮らしを振り返ります。ナカバヤシの沿革と、記念日を紹介する2つのサイトで製造開始の年と名前の由来を確かめ、台紙の手ざわりや今との違いをたどります。

60代の時間軸
ナカバヤシの沿革によると、同社は1968年(昭和43年)11月にフエルアルバムの製造を始め、文具紙製品の分野に進みました。当時の社名は「中林製本手帳」で、「ナカバヤシ」に改めたのは1970年(昭和45年)10月です。記念日を紹介するサイトのベストカレンダーは、台紙をビスで綴じる仕組みで補充用の台紙を足してページを増やせることから、「フエル(増える)アルバム」の名が付いたと説明しています。毎年12月5日の「アルバムの日」も、ナカバヤシが定めた記念日です。
写真店の袋からプリントを出し、畳の上に並べて順番を決める。台紙の透明なフィルムをめくって写真を置き、上からそっと戻して手のひらでならす。運動会、海水浴、親戚の集まり。一冊が埋まると補充の台紙を買ってきて、背のビスをゆるめて差し込みました。写真の横には、ボールペンで日付や場所を書いた小さな紙を添える家もありました。同じ旅行の写真が何枚も重なると、目をつぶった一枚や、指が写り込んだ一枚をよけて袋に戻す。誰が写っているかより、どの順に並べるかで家族の意見が分かれ、居間の畳の上はしばらく写真で埋まりました。
居間の座卓で広げると、厚い表紙がばたんと畳に倒れます。フィルムをはがすときのぺりぺりという音、台紙に残る少しべたつく手ざわり、押し入れから出したときのこもった匂い。何年分も足した一冊は両手で抱えるほど重く、膝に載せるとしびれてきました。古いページの写真は端から色が抜け、空の青が黄色っぽく見えます。
沿革には、2007年(平成19年)11月に写真集を作るサービス「フエルフォトブック」を始めたことも載っています。いまの写真の多くはスマートフォンの中にあり、指先で何千枚も流して見られます。プリントを選んで台紙に貼るには時間がかかり、貼らなかった写真は袋のまま箱に残りました。ベストカレンダーは、アルバムの日の「5日」を「いつか」の語呂合わせと紹介しています。いつか整理しよう、と先送りにした写真の箱も、多くの家にあった景色です。
貼るのが母親の役目だった家、子どもが自分の分を一冊ずつ持たされた家、祖父が日付を白いペンで書き込んだ家。表紙の色や冊数も、並べた棚の場所も家ごとに違います。あなたの家のフエルアルバムは、いまどの部屋のどの棚に並んでいますか?
ナカバヤシのフエルアルバムを思い出す三つの手がかり
- ナカバヤシのフエルアルバムにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
- そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
- いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- ナカバヤシ「沿革」
- ベストカレンダー「アルバムの日 (記念日 12月5日)」
- 雑学ネタ帳「アルバムの日(12月5日 記念日)」
- 編集確認日:2026-10-30。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。