昭和63年(1988年)ごろのキングジムのテプラ|ファイルの背に貼る見出しを一枚ずつ打ち出した事務机
昭和63年〜平成4年(1988〜1992年ごろ)のキングジムのテプラを手がかりに、手書きだった見出しを印字のテープに替えたころを振り返ります。キングジムの沿革、BCNと@DIMEの記事で発売年と1号機の名前、販売台数の歩みを確かめ、印字の音や今との違いをたどります。

50代の時間軸
キングジムの沿革には、1988年(昭和63年)の欄に「ラベルライター『テプラ』を発売」とあります。ITと家電の業界紙BCNは発売30周年の記事で、テプラを国内初の漢字変換ができるラベル作成機と紹介しました。雑誌@DIMEによると、1号機の名前は「TR55」です。沿革はその後、1993年に累計販売台数100万台、2018年に1000万台を突破したと記しています。BCNの記事で宮本彰社長は、発売当初は3万台も売れれば開発費用を取り戻せると考えていた、と振り返りました。
それまでファイルの背は手書きでした。字のきれいな人に頼むか、定規を当てて油性ペンで一文字ずつ書くか。テプラが事務所に来ると、「見積書」「取引先 あ〜さ」と打ち込んで変換を確かめ、印刷のキーを押せば、同じ太さの字がテープになって出てきます。裏の台紙をはがして背に貼り、指でこすって空気を抜く。学校でも、職員室の棚や部室の備品箱、文化祭の道具を入れた段ボールに同じテープが並びました。慣れてくると貼る場所を探し始め、電話機の短縮ボタンの横、ロッカーの扉、家では砂糖と塩の容器にまで名前が付きました。打ち間違えたテープは丸めて机の引き出しにためられ、テープのカートリッジが切れると、総務の棚へ替えをもらいに行きました。
印刷のキーを押すと、本体の奥でジーッとモーターが回り、白いテープが少しずつ押し出されます。はさみで切った端は角がとがり、台紙をはがすときは爪の先が要りました。
いまは本体のキーで打つほかに、スマートフォンの画面で文字を組んで送る機種もあります。表計算の表から一度に何十枚も刷る使い方もでき、一枚ずつ変換を確かめていたころの手間はありません。それでも、ファイルの背に見出しを貼るという用途はそのまま残っています。
会社の備品として一台を課で取り合った人、部活の顧問が私物を持ち込んでいた学校、年賀状の住所シールに使った家庭。打ち出した文字も、貼った場所も、それぞれに違います。あなたが初めてテプラで打ち出したのは、どこに貼るための文字でしたか?
キングジムのテプラを思い出す三つの手がかり
- キングジムのテプラにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
- そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
- いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- キングジム「沿革」
- BCN+R「キングジム、『テプラ』発売30周年でコラボカフェ」(2018年)
- @DIME「暮らしを変えたヒット商品が勢揃い!この30年で生まれたロングセラーの日用品」
- 編集確認日:2026-10-30。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。