あアノコロ記憶のタイムマシン
50代 音楽

昭和63年(1988年)ごろのコルグのM1|一台でドラムも伴奏も鳴らした夜の部屋の鍵盤

昭和63年〜平成4年(1988〜1992年ごろ)のコルグのM1を手がかりに、一台の鍵盤で曲を組み立て始めたころを振り返ります。コルグのニュースと音楽誌MusicTechの記事で発表の年と製品の考え方、製造終了の年を確かめ、ヘッドホンの中の音やソフトウェアに移った姿をたどります。

昭和63年〜平成4年(1988〜1992年ごろ)のコルグのM1を再現したイメージ。夜の机のスタンドの明かりが届く小さな音楽部屋で、鍵盤スタンドに載った長い濃い灰色の電子鍵盤楽器の上にヘッドホンが置かれ、横に無地の丸椅子とペダルのコードがある。
昭和63年〜平成4年(1988〜1992年ごろ)のコルグのM1を再現したイメージ。夜の机のスタンドの明かりが届く小さな音楽部屋で、鍵盤スタンドに載った長い濃い灰色の電子鍵盤楽器の上にヘッドホンが置かれ、横に無地の丸椅子とペダルのコードがある。(イメージ)

50代の時間軸

コルグが2018年5月1日に出したニュースによると、同社は1988年(昭和63年)にM1を発表しました。最先端のシンセシスとデジタル・エフェクト、ドラム、シーケンサーを組み合わせた一台で、ニュースは、これが「ミュージック・ワークステーション」と呼ばれるまったく新しい製品カテゴリーを定義したと書いています。M1の製造は1995年に終わりましたが、その時点で最も売れているシンセサイザーでした。英国の音楽誌MusicTechも同じ日に、コルグの発表としてこの経緯を伝えています。

ドラムのパターンを打ち込み、ベースと和音を重ね、上に旋律を弾く。鍵盤のほかにリズムマシンや音を加工する機械を並べていた人にとって、M1は一台で伴奏まで鳴らせる楽器でした。録り終えたパートを聴き返しながら、次の音色を探す夜が続きます。

置き場所は、自分の部屋の壁際や、家の一室を片づけた小さな音楽部屋でした。家族が寝たあとはヘッドホンを耳にかけ、机のスタンドの明かりだけで鍵盤に向かいます。本体は長く、スタンドに載せると部屋の幅の半分ほどを占めました。パネルのボタンを押すたびの小さなカチッという音、ヘッドホンのコードが肩に触れる感じ、ペダルを踏むと伸びていく和音。長く弾いていると、黒い天板がスタンドの明かりで少し温まっていました。

いまは同じ作業を、パソコンやタブレットの音楽ソフトで済ませる人が多くなりました。コルグも、Mac/PC用のKORG Collection - M1やiPad用のKORG iM1で、その音色を画面の中から鳴らせるようにしています。2018年には発表から30周年を記念して、5月1日を「M1 Day」と定めました。当時の本体を押し入れから出して、いまも電源を入れる人もいます。

M1の記憶の入り口は人によって違います。楽器店の店頭で試しに弾いた人、バンドの鍵盤担当として先輩から譲り受けた人、自分では持たず、あとになって好きな曲のあの音がM1だったと知った人。弾いた曲も、使った音色も、それぞれの部屋に残っています。あなたがM1の音を初めて聴いたのは、自分の鍵盤からでしたか、それともラジオやテレビから流れてきた曲の中でしたか?

コルグのM1を思い出す三つの手がかり

  1. コルグのM1にまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。