あアノコロ記憶のタイムマシン
50代 学校・青春

昭和61年(1986年)ごろのぺんてるのグラフ1000|製図室の夜にトレーシングペーパーへ細い線を引いたシャープペン

昭和61年〜平成2年(1986〜1990年ごろ)のぺんてるのグラフ1000を手がかりに、図面を手で引いていたころの製図台を振り返ります。ぺんてるの沿革と製品ページ、GetNavi webの記事で発売年と製図用シャープペンの系譜、ペン先やグリップのつくりを確かめ、ノックの手ごたえや今との違いをたどります。

昭和61年〜平成2年(1986〜1990年ごろ)のぺんてるのグラフ1000を再現したイメージ。夜の製図台で、デスクスタンドの光の下、トレーシングペーパーの上に無地の黒い細身のシャープペンシルが置かれ、文字にも数字にもならない淡い製図の線が数本引かれ、透明な三角定規が添えられている。
昭和61年〜平成2年(1986〜1990年ごろ)のぺんてるのグラフ1000を再現したイメージ。夜の製図台で、デスクスタンドの光の下、トレーシングペーパーの上に無地の黒い細身のシャープペンシルが置かれ、文字にも数字にもならない淡い製図の線が数本引かれ、透明な三角定規が添えられている。(イメージ)

50代の時間軸

ぺんてるの沿革には、1986年(昭和61年)の欄に製図用スタンダードシャープペンシル「グラフ1000」の発売が載っています。同社の製図用は1965年(昭和40年)の「PG(グラフペンシル)」に始まり、1968年(昭和43年)には0.3mm芯を使う「メカニカ」が出ました。いまの製品ページは正式な名前を「グラフ1000〈フォープロ〉」とし、ペン先まわりの視界を良くするステップヘッド状の形、芯の硬さを示す芯硬度表示窓、金属とラバーを組み合わせたグリップ、ペン先に重心が集まる低重心仕様を特長に挙げています。芯径は0.3から0.9まで並びます。

建築や機械の製図の授業では、製図台に平行定規を据え、トレーシングペーパーを製図用テープで四隅から留めました。外形線は太い芯で、寸法線や補助線は細い芯で引き分けます。線の途中で芯が減って太さが変わらないよう、軸を指先で少しずつ回しながら引く。芯硬度表示窓の数字と記号を、中の芯に合わせて回しておくのも習慣でした。課題の締め切りが近づくと、製図室の明かりは夜遅くまで消えません。シャープペンを何本も並べ、芯径ごとに持ち替えて一枚の図面を仕上げていきました。引き終えた図面は筒に丸めて、朝の電車で抱えて提出に向かいます。

デスクスタンドの電球が手の甲を温め、金属のグリップは握るうちに体温になじみます。ノックするとカチッと乾いた音がして、芯が少しだけ顔を出しました。消しゴムをかけると、トレーシングペーパーは紙より硬い音を立てます。

GetNavi webが伝えるぺんてるの発表は、デジタル化に伴って製図用シャープペンが実際の製図に使われることは少なくなったと述べています。いまの図面の多くはCADの画面の上で引かれます。一方で、書き心地の良さが一般の人にも支持され、学生の勉強やアーティストの作品づくりにも使われているとも書いています。2025年には製図用シャープペン発売60周年の限定モデルとして、グラフ1000〈フォープロ〉が黒を基調にした姿で出ました。

製図の課題のために買った人、先輩に勧められて揃えた人、受験勉強のノートに使い続けた人。同じ軸の一本でも、手に取ったきっかけは違います。あなたがグラフ1000で引いた線は、どんな課題の図面の上にありましたか?

ぺんてるのグラフ1000を思い出す三つの手がかり

  1. ぺんてるのグラフ1000にまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。