平成5年(1993年)ごろのヤマハのサイレントピアノ|ヘッドホンをつけて夜の居間で鳴らした鍵盤のコトコト
平成5年〜平成9年(1993〜1997年ごろ)のヤマハのサイレントピアノを手がかりに、音を外へ出さずにピアノを弾いた夜を振り返ります。ヤマハのニュースリリースと製品ページで最初の発売の年と後付けユニットの登場、音の止め方を確かめ、夜の居間の手ざわりまでをたどります。

40代の時間軸
ヤマハのニュースリリースによると、時間を選ばずにアコースティックピアノを弾きたいという市場のニーズに応えて、初めてのサイレントピアノを発売したのは1993年です。その後アップライトとグランドに消音機能付きのモデルが揃い、主にレッスン用途で支持を集めました。1997年には、消音機能を後付けできるユニットが発売されています。
いまの製品ページの説明では、ハンマーの動きを弦を叩く直前で止め、センサーで読み取った動きに応じて、サンプリングしたピアノの音をヘッドホンから鳴らします。
夕飯の片づけが終わり、隣の部屋のテレビも消えたあとで、鍵盤の下に手を伸ばしてヘッドホンをつなぐ。耳をふさぐと急に部屋が遠くなり、指を落とすと頭の中にだけピアノが広がります。ふたを開けた本体には昼間と同じ木の匂いがあって、鍵盤の重さも変わりません。ところが耳から外すと、残っているのはコトコトと鍵盤の底を打つ音と、ペダルのきしみ。その小さな音は、床を通って階下へ届いていないかと気になるほどでした。長く弾くとヘッドホンの耳あてが蒸れて、髪の跡が残ります。コードが肩に触れて引っぱられると、次の和音がわずかに遅れる。曲の終わりで外した瞬間、冷蔵庫のうなりと時計の音が戻ってきました。そのまま床の明かりを消します。
2023年のリリースでは、1965年以降に作られたほとんどのヤマハのアップライトに取り付けられる『RSC3シリーズ』が案内され、製品ページには2023年5月発売とあります。スマートピアニストのアプリと連携でき、スマートデバイスの画面で音量や音色を変え、演奏はUSBメモリーに録音できます。家で眠っていたピアノを呼び戻すための道具にもなりました。
音を気にした相手は、寝ている赤ん坊だったり、受験の兄弟だったり、壁の向こうの隣人だったりします。買い替えた家もあれば、親の代のピアノに後から付けた家もありました。家族が寝たあとのサイレントピアノで、あなたがヘッドホンの中で最後に弾いていた曲は何でしたか?
ヤマハのサイレントピアノを思い出す三つの手がかり
- ヤマハのサイレントピアノにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
- そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
- いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- ヤマハ ニュースリリース「サイレントピアノ後付けユニット『RSC3シリーズ』、アップグレードユニット『VSH3シリーズ』を発売」(2023年)
- ヤマハ 製品ページ「サイレントピアノ」
- 編集確認日:2026-11-01。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。