あアノコロ記憶のタイムマシン
70代 学校・青春

昭和30年(1955年)ごろの集英社のりぼん|姉の雑誌のそばで生まれた月刊誌を、畳の上で開いた日

誌名は、そのまま髪飾りの名前でした。昭和30年〜昭和34年(1955〜1959年ごろ)の集英社のりぼんについて、集英社小史で創刊の月と姉妹誌との関係を、国立国会図書館の書誌で刊行の形を、長崎県美術館の特別展の案内で後の発行部数を確かめました。

昭和30年〜昭和34年(1955〜1959年ごろ)の集英社のりぼんを再現したイメージ。障子越しのやわらかい午後の光が入る畳の部屋で、低い鏡台の上の丸い木の小箱のふたに、無地の赤いサテンの髪リボンが蝶結びで置かれ、そばに伏せた手鏡と無地の小さな布の巾着が見える。
昭和30年〜昭和34年(1955〜1959年ごろ)の集英社のりぼんを再現したイメージ。障子越しのやわらかい午後の光が入る畳の部屋で、低い鏡台の上の丸い木の小箱のふたに、無地の赤いサテンの髪リボンが蝶結びで置かれ、そばに伏せた手鏡と無地の小さな布の巾着が見える。(イメージ)

70代の時間軸

集英社の小史によると、1955年8月に「少女ブック」の妹雑誌として、幼女向けの総合誌「りぼん」が創刊されました。同じ年、集英社は「集英社の漫画ブック」シリーズも出し始めています。国立国会図書館の書誌では、りぼんは月刊で、大きさは26cmと記録されています。

発売日が来ると、本屋の棚の前で背伸びをして、自分の手の届く一冊を探します。見つけたら胸に抱えて、帰り道を急ぎました。財布の小銭を何度も数え直してから、レジへ持っていった子もいたでしょう。

家に着くと、畳に腹ばいになって最初のページを開きます。ざらついた紙は、めくるたびに乾いたインクの匂いを立てました。障子越しの光が薄い午後は、紙の白が少し黄みがかって見える。電球の下では、ページの端が指の脂で少しずつ丸くなっていきます。台所からは母が菜を刻む音が聞こえ、茶の間のほうからはラジオの歌が流れてくる。読み終えた号は、ちゃぶ台の脇や箪笥の上に重ねて、次の発売日まで手元に置きました。

長崎県美術館の特別展の案内は、1993年末にりぼんが最高発行部数255万部を記録したと書いています。創刊の頃の幼女向けの総合誌から、誌面は大きく姿を変えました。いまは国立国会図書館の書誌が「紙・デジタル」と記すとおり、画面でも読めます。畳に腹ばいになって、ページの端を指で押さえる読み方は、画面の上にはありません。

姉のいる家では、妹は廊下で、姉が読み終わるのを待ちました。友だちと一冊を回し読みして、返す日の約束を鉛筆で手のひらに書いた子もいます。本屋が遠い町と、駅前にすぐ寄れる町とでは、手に入れる道筋も違ったはずです。りぼんが出る月、あなたはどの本屋で受け取り、どの部屋のどのあたりで最初のページを開きましたか?

集英社のりぼんを思い出す三つの手がかり

  1. 集英社のりぼんにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。