あアノコロ記憶のタイムマシン
60代 学校・青春

昭和46年(1971年)ごろの旺文社の豆単|上着のポケットに入れて、頻出度の順に覚えた英単語集

初版の年が、旺文社の公式の資料どうしで合いません。沿革は昭和10年に刊行と載せ、商品ページは1942年初版と書きます。そこで、年がはっきり書かれた昭和46年〜昭和50年(1971〜1975年ごろ)の第6版を軸に、旺文社の三つのページから豆単を調べました。

昭和46年〜昭和50年(1971〜1975年ごろ)の旺文社の豆単を再現したイメージ。放課後の高校の教室で、低い橙色の光が高い窓から差し、木の椅子の背に紺色の詰め襟の上着が掛かり、胸のポケットに小さな四角い膨らみがあり、机には使い込んだ金属の筆箱が置かれ、後ろに空の机がぼやけている。
昭和46年〜昭和50年(1971〜1975年ごろ)の旺文社の豆単を再現したイメージ。放課後の高校の教室で、低い橙色の光が高い窓から差し、木の椅子の背に紺色の詰め襟の上着が掛かり、胸のポケットに小さな四角い膨らみがあり、机には使い込んだ金属の筆箱が置かれ、後ろに空の机がぼやけている。(イメージ)

60代の時間軸

旺文社の「英語基本単語集」は、通称「豆単」と呼ばれる単語集です。旺文社の会社沿革は、昭和10年(1935年)の項に「英語基本単語(熟語)集」(豆単)刊行と載せています。一方、現行版の商品ページは、1942年初版で現行版はすでに第九訂版と書き、初版の年は公式のページのあいだでも食い違っています。年がはっきり書かれているのは、第6版の改訂時の1971年です。旺文社の歩みのページによると、入試に出題された約30万語をコンピューターで分析し、各単語に入試頻出度のランキングをつけました。

試験が近づくと、ランキングの上のほうの語から順に覚えました。覚えた語には鉛筆で印をつけ、印のない語を探して次へ進みます。同じページを何度も開いたので、角が丸くなった人もいました。

旺文社の歩みのページは、豆単を「ポケットに入れて、いつでもどこでも確認できる単語・熟語集」と紹介しています。放課後の教室の窓際で、ポケットから出した小さな本の重さは、手のひらにちょうど収まります。夕方の低い光がページの小さな字を斜めに照らし、紙の端が指の汗でわずかに湿る。上着の胸のあたりは、本の形に少しふくらんでいました。廊下の向こうから運動部の声が聞こえてくると、一語覚えるたびに、そちらへ気が散ります。

いまの豆単は9訂版で、商品ページは、全3800語で入試の95パーセントの単語をカバーすると説明しています。読者は1700万人を超えたそうです。会社沿革には、平成22年(2010年)に復刊したとも載っています。鉛筆の印で汚れた小さな一冊は、機械で分析された頻出度のランキングを背に、いまも版を重ねています。

ある高校では、昼休みに友だちと向かい合って、ページを開いたまま問題を出し合いました。別の家では、兄が使い込んだ一冊が、そのまま弟の机の上に置かれました。同じ豆単でも、誰の手を経たかで、印のつき方も、ページの角の丸さも違います。あなたは豆単をどのポケットに入れて、どこで最初のページを開きましたか?

旺文社の豆単を思い出す三つの手がかり

  1. 旺文社の豆単にまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。