昭和34年(1959年)ごろのニコンのF|尖ったプリズムをのぞいて撮ったレンズ交換式の一眼レフ
昭和34年〜昭和38年(1959〜1963年ごろ)のニコンのFを手がかりに、レンズ交換式の一眼レフが写真の道具に加わったころを振り返ります。ニコンの企業サイトの沿革とデジカメWatchの記事で発売年や仕組み、生産の期間を確かめ、シャッターの音やマウントが受け継がれた道のりをたどります。

70代の時間軸
ニコンの沿革によると、一眼レフカメラ「ニコンF」は1959年(昭和34年)に発売され、1973(昭和48)年までの15年間にわたって生産されました。新しく開発されたのはミラーボックスとペンタプリズム、バヨネットなどの主要部分で、撮影後にミラーとレンズの絞りが瞬時に開放へ戻る機構を作る必要がありました。ステンレス材のマウントは内径44mmで、これが「ニコンFマウント」として最新のデジタル一眼レフカメラにも採用されています。ファインダーの視野率は100%、シャッター幕には厚さ0.02mmのチタン材を使いました。沿革は、ニコン初のレンズ交換式一眼レフカメラとして高級一眼レフカメラの地位を築いたと記しています。
デジカメWatchの記事によれば、ニコンFはファインダーやファインダースクリーンを交換できるシステムカメラでした。望遠レンズに付け替えて遠くの被写体を引き寄せ、狭い部屋では広い画角のレンズに替える。値の張るカメラで、首から下げていたのは仕事で写真を撮る人や、写真に打ち込む人が多かった一台です。
濃い色の木の机に置くと、銀色の上ぶたと黒い革張りの胴が、障子越しの光を鈍く返します。持ち上げると金属の塊の重さが手首にかかり、ストラップを首にかけると胸のあたりで揺れました。ファインダーをのぞけば、写るものがそのまま四角く見える。シャッターを押すと、ミラーの跳ね上がるバシャッという大きめの音が部屋に響きました。巻き上げレバーを送る指先には、歯車の細かな手ごたえ。革のケースからは古い革と油のにおいがしていました。
ニコンミュージアムは2019年に、発売60周年を記念したニコンFの透視図プレートなどのグッズを売り出しました。生まれたマウントの規格は半世紀以上にわたって受け継がれ、沿革は、35ミリ判一眼レフカメラ用の独自設計のマウントとしては世界最長だと書いています。いまはスマートフォンで撮る人が多くなりましたが、レンズを付け替えて撮る一眼のカメラには、当時と同じ形の口を持つものもあります。
ニコンFとの出会い方は、それぞれ違います。新聞社や写真館に勤めていた家族の一台、写真好きの叔父が見せてくれた一台、学生のころ中古店のガラスケースの中で眺めた一台。触らせてもらえなかったという人もいます。あなたが初めてニコンFを手に取ったのは、誰の首から下がっていたものでしたか?
ニコンのFを思い出す三つの手がかり
- ニコンのFにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
- そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
- いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- ニコン「沿革」
- デジカメWatch「ニコンミュージアムでニコンF60周年記念グッズが取り扱い開始」(2019年4月2日)
- 編集確認日:2026-10-30。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。