あアノコロ記憶のタイムマシン
60代 街・暮らし

昭和50年(1975年)ごろのサンヨー食品のカップスター|やかんの湯を注いで待った波形の紙カップと、冬の夜の台所

昭和50年〜昭和54年(1975〜1979年ごろ)のサンヨー食品のカップスターについて、サンヨー食品の「発展のあゆみ」とベストカレンダーの記念日解説、日本食糧新聞の記事で発売の月や容器を確かめました。やかんの湯気や、手に伝わるカップの熱をたどります。

昭和50年〜昭和54年(1975〜1979年ごろ)のサンヨー食品のカップスターを再現したイメージ。寒い夜の暖かな電灯の下、台所の食卓に波形の無地の紙カップがふたをめくられて置かれ、細く縮れた麺と醤油色のスープ、青ねぎと乾燥卵から湯気が上がり、無地の割り箸が縁に渡され、奥に無地のやかんがぼけて見える。
昭和50年〜昭和54年(1975〜1979年ごろ)のサンヨー食品のカップスターを再現したイメージ。寒い夜の暖かな電灯の下、台所の食卓に波形の無地の紙カップがふたをめくられて置かれ、細く縮れた麺と醤油色のスープ、青ねぎと乾燥卵から湯気が上がり、無地の割り箸が縁に渡され、奥に無地のやかんがぼけて見える。(イメージ)

60代の時間軸

サンヨー食品の「発展のあゆみ」には、1975年(昭和50年)1月の項に「『サッポロ一番 カップスター』発売」とあります。同じ年表で、1968年に「サッポロ一番 みそラーメン」、1971年に「サッポロ一番 塩らーめん」が続いたあとの一歩でした。ベストカレンダーの記念日解説によれば発売日は1月18日で、カップ麺市場が急拡大するなか、同社は容器のデザインにこだわります。独特の波形が付いた紙製のカップは、熱湯を注いだあとでも手で持ちやすいように考えられたものだといいます。最初の味はしょうゆでした。

ふたを半分めくり、乾いた麺の上の具を確かめて、内側の線のところまで湯を注ぐ。めくれたふたが戻ってくるので、端に割り箸を載せて押さえ、そのまま台所で待ちます。

冬の夜の台所で、やかんの口が小さく鳴りはじめます。ガスの火を止めて持ち上げると、取っ手が熱くて布巾を巻きたくなる。湯気がカップから顔へ上がり、眼鏡が白く曇りました。醤油と乾いたねぎの匂いが広がると、もう待っている時間が長い。柱の時計を二度見ました。ふたを開ければ、縮れた麺の間から卵の黄色いかけらが浮いてきます。波形のカップを両手で包むと、紙ごしの熱がてのひらにじんわり来て、冷えた指にはちょうどいい。箸を入れると麺がほぐれ、すすった汁が口のまわりにはねます。ストーブのある居間まで運ぶあいだ、縁の熱さに何度も持ち替えました。夜食に食べた受験生も、仕事の帰りが遅くなった人も、スープを最後まで飲むかどうかは別でした。

サンヨー食品の年表は、2005年に発売30周年、2025年に発売50周年を記し、同年2月にはロングセラー賞の受賞を並べています。2021年9月に和風シリーズが加わり、日本食糧新聞によると2026年6月1日には「節辛いやつ」「青辛いやつ」という辛口の限定品も発売されました。ベストカレンダーの解説は、しょうゆのあとにみそ、しお、キムチ、とんこつ、カレーうどんと味が増えていった流れを書いています。

置かれていた棚も、一緒に食べた相手も家庭で違います。買い置きを戸棚にしまっていた家、学校帰りに店で一つだけ買った人、留守番の昼に親が用意してくれた人もいました。あなたがカップスターに湯を注いだ夜、できあがるのを待つあいだ何をしていましたか?

サンヨー食品のカップスターを思い出す三つの手がかり

  1. サンヨー食品のカップスターにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。