あアノコロ記憶のタイムマシン
30代 学校・青春

平成25年(2013年)ごろのパイロットのカクノ|ペン先の笑顔を上に向けて書いた六角形の万年筆

平成25年〜平成29年(2013〜2017年ごろ)のパイロットのカクノを手がかりに、初めて万年筆を持った日を振り返ります。パイロットのプレスリリースと開発秘話で発売日や価格、えがおのマークのねらいを確かめ、カートリッジの差し込みやインクの匂いをたどります。

平成25年〜平成29年(2013〜2017年ごろ)のパイロットのカクノを再現したイメージ。木の学習机の上に、外したパステル色のキャップを脇に置いた薄い灰色の六角形の万年筆と無地のインクカートリッジ、文字にならない青い線が引かれた白い紙、無地の閉じたノートがある。
平成25年〜平成29年(2013〜2017年ごろ)のパイロットのカクノを再現したイメージ。木の学習机の上に、外したパステル色のキャップを脇に置いた薄い灰色の六角形の万年筆と無地のインクカートリッジ、文字にならない青い線が引かれた白い紙、無地の閉じたノートがある。(イメージ)

30代の時間軸

パイロットコーポレーションの2013年10月11日のプレスリリースによると、『カクノ』は同年10月20日に1,050円(本体価格1,000円)で発売されました。全長131㎜、最大径15.2㎜、キャップはオレンジ、レッド、ピンク、ライトグリーン、ブルー、グレーの6色で、初年度の販売目標は15万本。同社の開発秘話は、当時の万年筆が安いものでも3,000円程度だったと振り返り、8,000人を対象にした調査で20代の4割に使った経験が無いと分かったことが企画を後押ししたと書いています。2012年秋に3,000円で出した「コクーン」が若い世代から支持を得た手応えもあり、さらに低価格の1,000円で子ども向けという新しい構想が動き出しました。

カートリッジをペン軸の奥まで差し込むと、やがてインクが降りてきます。鉛筆と同じ六角形のボディは机の上で転がりにくく、なだらかな三角形のグリップに親指、人差し指、中指が収まりました。ペン先にはハート穴とスリットを鼻に見立てた「えがおのマーク」があり、それが正面に見える向きが正しい持ち方の目印です。向きが逆だと線がかすれ、すぐに気づきます。

勉強机の上に青い線の入った紙を置き、キャップをくぼみに指をかけて外す。ステンレスのペン先は紙の繊維にかすかに引っかかり、シャリシャリと小さな音を立てました。指先に付いたインクはすぐには落ちず、翌日の教室でも青い跡が残っていることがあります。差し込んだばかりのカートリッジのあたりからは、インクのかすかな匂いがしました。

開発秘話によれば、カクノは1年で65万本を売り、目標を大きく超えました。大人の最初の一本としても買われ、色の違うインクを入れて何本も持つ人が現れます。ショーケースの奥の品だった万年筆は、ショッピングモールや量販店の棚にも並ぶようになりました。

親や祖父母から贈られた子どももいれば、大学生になって試し書きの紙に引かれて自分で買った人、会社の机で初めて使った人もいます。あなたが初めてカクノで書いたのは、どんな言葉でしたか?

パイロットのカクノを思い出す三つの手がかり

  1. パイロットのカクノにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。