あアノコロ記憶のタイムマシン
50代 街・暮らし

昭和55年(1980年)ごろのTOTOのウォシュレット|電子制御で湯の温度を保った、洋式便器に載せる温水洗浄便座

昭和55年〜昭和59年(1980〜1984年ごろ)のTOTOのウォシュレットを手がかりに、洋式のトイレに電気の便座が入ったころを振り返ります。TOTOのニュースリリースとMONOistの取材記事で発売の年月や開発の経緯を確かめ、ショールームでの初体験や普及の歩みをたどります。

昭和55年〜昭和59年(1980〜1984年ごろ)のTOTOのウォシュレットを再現したイメージ。曇りガラスの窓から柔らかな光が入る、ベージュのタイル壁の小さな家庭のトイレに、ふたの閉じたベージュの洋式便器と揃いの電子式の便座、脇の細い操作部、無地のトイレットペーパーがある。
昭和55年〜昭和59年(1980〜1984年ごろ)のTOTOのウォシュレットを再現したイメージ。曇りガラスの窓から柔らかな光が入る、ベージュのタイル壁の小さな家庭のトイレに、ふたの閉じたベージュの洋式便器と揃いの電子式の便座、脇の細い操作部、無地のトイレットペーパーがある。(イメージ)

50代の時間軸

TOTOの2020年のニュースリリースによると、温水洗浄便座「ウォシュレット」は1980年6月に発売されました。原型は同社が1964年12月からアメリカン・ビデ社のものを輸入販売した「ウォッシュエアシート」で、1969年11月には暖房便座の機能を足して国産化しましたが、もとは医療用で「温水の温度が安定しない」という課題が残りました。1978年11月に自社開発を決め、ICとセンサーで温度を細かく制御する形に作り替えます。MONOistの取材で広報担当者は、開発者が雨の中の信号機を見て、樹脂で固めて防水ケースに入れる回路の作りを信号機メーカーに教わったと話しています。陶器と同じ材料を使うセラミックヒーターの技術を持っていたことも、安定した温水を出す見込みにつながりました。

洋式の便器に便座を載せ替えて、電源をつなぐ。便座は暖かく、操作部で洗浄の水を選ぶと、湯の温度が保たれたまま水が出ます。商品名の由来は「Let’s Wash!」を逆にしたものでした。

置かれたのは、新しく建てた家や、水洗に改めたばかりのトイレです。ショールームやレストランで初めて触れる人も多く、MONOistによると、設置場所が分かる「お尻天国」というパンフレットまで配られました。冬の朝、ひんやりしたタイルの床から足を上げて腰を下ろすと、便座のじんわりした熱が伝わってくる。ベージュの壁に曇りガラスの光が当たり、作動中は機械の小さなモーターの音がかすかに聞こえました。便座のふたはプラスチックのつるりとした手ざわりで、掃除のときに布で拭くとすぐに光りました。

1982年のテレビコマーシャル「おしりだって、洗ってほしい。」で名前は広く知られます。ただ、MONOistの記事で広報担当者は、1992年の時点でも普及率は14%ほどで、50%を超えたのは2003年だったと説明しています。ニュースリリースでは、温水洗浄便座の一般世帯への普及率が80.3%(2019年、内閣府調べ)、ウォシュレットの累計出荷台数は2020年4月に5300万台を突破し、1986年のアメリカを皮切りに海外でも同じ商品名で売られています。今では駅や職場のトイレに付いていても、特に話題にはなりません。

先に親の家で慣れた人もいれば、海外から帰ってきて便利さを思い知った人もいて、取り付けた年は家ごとに開きがあります。あなたが初めてウォシュレットの付いたトイレに入ったのは、どこでしたか?

TOTOのウォシュレットを思い出す三つの手がかり

  1. TOTOのウォシュレットにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。