昭和52年(1977年)ごろのBOSSのOD-1|黄色い箱を踏むとアンプの音が丸く歪んだ小さなステージ
昭和52年〜昭和56年(1977〜1981年ごろ)のBOSSのOD-1を手がかりに、エレキギターの足もとに黄色い箱を置いた時間を振り返ります。BOSSの40周年ページと公式記事、ITmediaの取材記事で発売の年とつまみの数、回路の工夫を確かめ、踏んだときの音の変わり方までをたどります。

60代の時間軸
BOSSの40周年ページによると、コンパクト・ペダルの歴史は1977年に出たOD-1、PH-1、SP-1の3機種から始まります。公式記事はその背景として、大型のペダルがエフェクター・ボードの場所を取っていたことを挙げています。つまみはレベルとオーバードライブの二つだけ。非対称のクリッピング回路を使い、一般的なエフェクターより複雑な倍音を持つ歪みを出しました。
ITmediaの取材記事は、真空管のギターアンプを歪ませたようなマイルドな音だったと書いています。当時中学生だった筆者にとって、エレキギターの次に買うものでした。
楽器店の棚で黄色は遠くからでも目につきました。緑のPH-1、赤のSP-1と並ぶと信号機のようで、握ると金属の箱はずしりと重く、角の塗装は使うほど剥がれていきます。アンプのつまみを上げられない練習室でも、ペダルを踏めば音の端が毛羽立ち、和音を弾くと低い弦どうしがうなりあう。単音をのばすと、ピッキングの強さで歪みの量が変わって、弱く弾けば澄んだ音に戻っていきます。ライブハウスの床では、踏み板のゴムが靴底に吸いつくようで、カチッという手応えが足の裏に来る。ステージの琥珀色の照明で箱の黄色は濃く見え、巻いたケーブルの先からはかすかなノイズが漏れていました。電池が弱ると歪みの輪郭まで痩せてきて、本番前に慌てて交換した人もいます。
OD-1には後に音が甘すぎるという声もあり、設計者の久保寛治は、1981年のSD-1にトーン・コントロールを足した理由としてそれを語っています。形はその後も大きく変わらず、BOSSによれば2017年の時点でコンパクト・ペダルは全120機種、累計1,500万台以上に達しました。2014年にはOD-1Xの名も年表に加わっています。今の足もとは電源の配線とボードで整然と組まれ、一台を床に直に置いて踏む景色は減りました。
最初の一台にした人、先輩の足もとで借りて踏んだだけの人、後からほかの歪みを足していった人。OD-1を踏んだとき、あなたはつまみを二つともどの位置に合わせていましたか?
BOSSのOD-1を思い出す三つの手がかり
- BOSSのOD-1にまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
- そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
- いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- BOSS「40th Anniversary Compact Pedals」
- BOSS Articles「BOSS SD-1 Super OverDriveが歩んだ40年の歴史」
- ITmedia NEWS 小寺信良「音と歪みの、いい関係」(2005年10月3日)
- 編集確認日:2026-11-01。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。