あアノコロ記憶のタイムマシン
30代 学校・青春

平成19年(2007年)ごろのプラチナ万年筆のプレピー|透明な軸の中でインクの減りが見えた筆箱の一本

平成19年〜平成23年(2007〜2011年ごろ)のプラチナ万年筆のプレピーを手がかりに、ノートに初めて万年筆の線を引いたころを振り返ります。同社の製品ページと沿革、発表資料で発売の年と仕組みを確かめ、軸の透け方や紙に抜けるインクの影までをたどります。

平成19年〜平成23年(2007〜2011年ごろ)のプラチナ万年筆のプレピーを再現したイメージ。窓の光が入る木の机の上の木箱に、インクのカートリッジが透けて見える透明な樹脂軸の万年筆と、先に小さな色のついた透明なキャップ、無地の替えカートリッジ一本が置かれ、表紙に何も書かれていないノートが閉じてある。
平成19年〜平成23年(2007〜2011年ごろ)のプラチナ万年筆のプレピーを再現したイメージ。窓の光が入る木の机の上の木箱に、インクのカートリッジが透けて見える透明な樹脂軸の万年筆と、先に小さな色のついた透明なキャップ、無地の替えカートリッジ一本が置かれ、表紙に何も書かれていないノートが閉じてある。(イメージ)

30代の時間軸

プラチナ万年筆の発表資料は、超低価格の万年筆PREPPY(プレピー)について「2007年の発売以来」と書いています。同社の100周年サイトの沿革をさかのぼると、1979年の欄に「初代プレピー発売」の一行もあり、名前そのものは古くからありました。製品ページが挙げる仕組みは具体的です。ステンレスのペン先に摩耗に強い特殊合金のポイントを付け、キャップを閉めておけば1年間使わなくてもインクが乾かない「スリップシール機構」を載せました。2014年の発表資料では、細字03と中字05が各200円(税抜き)です。

支度はカートリッジを軸の奥へ押し込むだけ。インクが降りてくるまで少し待ちます。軸もインクも色を選べるので、赤い軸に青いインクという組み合わせも作れました。

置き場所は筆箱の中か、机の端のペントレーでした。透明な軸を窓にかざすと、カートリッジのインクがどこまで減ったか一目でわかります。キャップは押し込むとパチッと小さく鳴り、樹脂の軸は指の上でほとんど重さを感じさせません。ペン先は鉛筆より細い音で紙をなで、薄いノートだと次の頁にインクの影が抜けました。書いたばかりの字はまだ濡れて光っていて、左手で書く人は小指の側を青く染めたまま教室を出ることになります。鞄の底でキャップが緩み、教科書の角まで色がにじんでいた朝もありました。替えのカートリッジは筆箱の隅で転がり、差し替えるときは古いほうの口から一滴落ちて、ティッシュを探すことになります。黒のあとに青を差すと、しばらくは色が混ざって紺のような線が出ました。

2014年8月末までの出荷総本数は約530万本で、いまの製品ページには累計販売1,500万本とあります。極細の02が2014年に加わったのは「手帳に書きやすいペン先が欲しい」という声を受けてのことでした。予定をスマートフォンに入れる人が増えた今も、手帳の小さな欄に青い字を書き込むためにこの細いペン先を選ぶ人がいます。

文房具店のレジ横で値段に驚いて買った、友達の筆箱から借りて試した、卒業論文の下書きに使ってみた。あなたがプレピーに最初に差したカートリッジは、何色でしたか?

プラチナ万年筆のプレピーを思い出す三つの手がかり

  1. プラチナ万年筆のプレピーにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。