平成10年(1998年)ごろの富士フイルムのチェキ|残りの枚数を数えながら放課後の教室で撮った一枚
シャッターを押すと、カードほどの紙が本体から出てきて、約90秒で絵が浮かびます。平成10年〜平成14年(1998〜2002年ごろ)の富士フイルムのチェキについて、初代機の登場と銀色の外観は公式の年表で、当時の人気は公式Webマガジンの25周年記事で、フィルムの枚数や名前の由来は同じマガジンのガイドで確かめました。

30代の時間軸
instaxの公式年表「歴代チェキの歩み」は、初代機instax mini 10の登場を1998年に置き、カードサイズの専用フィルムを使うインスタントカメラと説明して、シルバーボディが新鮮で近未来的だったと振り返っています。公式Webマガジンの25周年記事によれば、滝沢秀明を起用したCMが話題を呼び、品切れが続出するほどの人気でした。“チェキ”は英語のcheck itを縮めた日本だけの呼び名で、海外ではinstaxと呼ばれています。
フィルムは10枚で1パック。誰かが「撮るよ」と言うと、並ぶ前にまず残りの数を確かめます。誰を入れるか、誰が押すかを決めるまでに、シャッターを切る何倍もの時間がかかりました。
窓ぎわの席に机を寄せて、カーテン越しの光が弱くなる前に撮ってしまう。銀色の本体を持ち上げると見た目より軽く、ファインダーをのぞく目のすぐ横に丸いレンズの出っぱりがありました。シャッターのあと、じーっと短い音がして、白い枠の紙が上から押し出されてくる。受け取った紙はかすかに薬品の匂いがして、灰色のまま何も写っていません。公式のガイドには約90秒で絵が浮かぶとあり、待つ間に振らないことがきれいに出すこつだと書かれています。それでも机のまわりでは誰かがぱたぱたと振っていて、止められるころには顔の輪郭が出てきました。目をつぶった一枚はやり直しがきかず、油性ペンで落書きを足して、笑って配ります。残した分は缶に入れたり、財布や定期入れに挟んだりして持ち歩きました。
年表では翌1999年にプリントの大きいinstax WIDE 100が続き、マガジンの記事は2001年のinstax mini 7“チェキポップ”を、チェキといえばこれ、と紹介しています。今のラインアップにはスマホの画像をプリントする機種や動画も撮れる機種があり、撮った写真をすぐ見ること自体は、もう珍しくありません。その場で一枚しか出てこない紙の扱いだけが、当時の教室と変わらずに残っています。
文化祭の準備の日と部活を引退する日では、残り枚数の使い方も違ってきます。卒業の前の週に寄せ書きの代わりに配ると、手元には一枚も残りませんでした。チェキのフィルムの最後の1枚を前にしたとき、あなたは誰を写しましたか?
富士フイルムのチェキを思い出す三つの手がかり
- 富士フイルムのチェキにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
- そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
- いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- instax 公式「歴代チェキの歩み」
- Cheki Press(instax 公式)「チェキは今年で25周年。代表モデルを当時のカルチャーとともにプレイバック」
- Cheki Press(instax 公式)「チェキとは?「チェキ」についてのはじめてガイド」
- 編集確認日:2026-11-02。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。