あアノコロ記憶のタイムマシン
50代 ゲーム・遊び

昭和61年(1986年)ごろのセガのアウトラン|走り出す前に三つの曲から一つを選んだ赤い車の座席

硬貨を入れて最初にするのが、曲を選ぶことでした。昭和61年〜平成2年(1986〜1990年ごろ)のゲームセンターに置かれたセガのアウトランについて、セガの公式アーカイブで15のコースと3種類のBGMを、テクノエッジとGAME Watchの記事で開発の中心にいた人の名と筐体の動きを確かめました。

昭和61年〜平成2年(1986〜1990年ごろ)のセガのアウトランを再現したイメージ。暗い色の光が濃い色のカーペットに落ちるゲームセンターで、屋根のないスポーツカーの形をした真っ赤な無地の大型筐体に、黒く小さな丸いハンドル、短いギアレバー、ペダル二つ、低い座席が見え、大きな画面は消えている。
昭和61年〜平成2年(1986〜1990年ごろ)のセガのアウトランを再現したイメージ。暗い色の光が濃い色のカーペットに落ちるゲームセンターで、屋根のないスポーツカーの形をした真っ赤な無地の大型筐体に、黒く小さな丸いハンドル、短いギアレバー、ペダル二つ、低い座席が見え、大きな画面は消えている。(イメージ)

50代の時間軸

セガのアーカイブスは、1986年にアーケードで登場したアウトランを「元祖ドライブゲーム」と呼んでいます。真っ赤なスポーツカーの隣に金髪の美女を乗せ、分岐する全15コースのなかから16通りのルートを選ぶ。砂漠、巨大な石の門、古い街並み、風車のある通りへと景色が移っていきます。テクノエッジの記事によると、開発の指揮は『ハングオン』『スペースハリアー』の鈴木裕、音楽は川口博史でした。ゲームを始めるときに3種類からBGMを選べることは大きな話題になり、当時出たレコードはベストセラーになったと、セガ自身が書いています。

操作はハンドルとギアとペダル。迷うのは分かれ道で、右へ行けば次の景色は別の国のように変わります。前の回と違う道を試したくて、また硬貨を探しました。

車の形をした大きな赤い筐体は、店の奥からでも見えました。GAME Watchの連載「電遊道」で筆者のジョン・カミナリさんが子どものころを振り返っている筐体も、車のような大きさで、車の動きに合わせて左右に傾き、一回の料金はほかのゲームより高かったといいます。低い座席に腰を落とすと、背中のビニールがまだ前の人の体温を残している。曲を決めて走り出すと、耳のすぐ横のスピーカーから自分の選んだ音だけが鳴って、店内の電子音が遠のきました。車道の両側の木や看板がなめらかに手前へ迫ってくる。カーブで体が傾くたびに、握った細いハンドルに力が入ります。残り時間が減ると、背後に立った次の客の靴音まで気になりました。ゴールの手前で時間が切れて車が止まると、座席の揺れもそこで終わり、急に店の空調の音が戻ってきます。

Nintendo Switch向けの『SEGA AGES アウトラン』は2018年11月29日に配信され、アーケード版を上回る60fpsの描画とワイド画面に対応しました。ジャイロセンサーで、コントローラーをハンドルのように動かして遊ぶこともできます。居間のソファで同じ海岸を走れるようになって、なくなったのは座席の傾きと、背中で感じる順番待ちの気配です。

ボウリング場のロビーの一台、駅前の店の奥の一台、旅先のドライブインでようやく座れた一台。傾く筐体に乗れた土地もあれば、動かない座席の機種しか知らないまま過ごした町もあります。アウトランの最初の分かれ道で、あなたはどの曲をかけて、左右どちらへハンドルを切りましたか?

セガのアウトランを思い出す三つの手がかり

  1. セガのアウトランにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。