昭和51年(1976年)ごろの花王のエッセンシャル|「毎日シャンプーしたっていいんです。」のころ、朝の洗面台で頭を濡らした
最初の名前は『カオーフェザーエッセンシャル』。粉のシャンプーから歩んできた花王の年表の、ちょうど中ほどに置かれた一本です。昭和51年〜昭和55年(1976〜1980年ごろ)の花王のエッセンシャルを、花王の公式noteにあるシャンプーの歴史と、WWDJAPANの記事に書かれたブランド誕生の年で確かめました。

60代の時間軸
花王の公式noteにあるシャンプーの年表は、1955年の『花王フェザーシャンプー』から始まります。パーマの髪をやさしく洗うための、粉末の中性シャンプーでした。1970年に『メリット』が加わり、1976年の欄に『カオーフェザーエッセンシャル』が載っています。同じ記事によると、1970年代後半にはシャンプーの世帯普及率が約98%に達し(花王調べ)、関心は髪そのものへ向かっていました。キューティクルの研究から生まれた初代は「毎日シャンプーしたっていいんです。」を合言葉にし、髪の表面に映る白い輝きを“天使の輪”と呼びました。この言葉も初代から使われていたと、花王は書いています。
銭湯へ通う日に髪も洗う、家の風呂を沸かした晩に洗う。そうした区切りのある暮らしに、毎日洗ってもいいという言い方が加わりました。朝、洗面台で頭だけ濡らしてから出かける人が出てきます。
浴室の縁の段には、家族の分のボトルがすき間なく並んでいました。冬のタイルは足の裏に冷たく、湯船のふたを半分ずらすと、湯気が天井の電灯をかすませる。ボトルを逆さにして手のひらに受けると、とろりとした重さがあり、泡立てた指の間から香りが立ちのぼって、湯気といっしょに曇りガラスへ溜まっていきました。黄色い洗面器で湯をかぶると、耳の奥でざぶりと音がする。風呂から上がれば、ドライヤーの熱い風とモーターのうなりが脱衣所を満たし、鏡に映った頭のてっぺんに白い光の輪を探して、角度を変えてみたりもしました。
WWDJAPANは、エッセンシャルがブランド誕生43年目で初めて男性向けのラインを出したと伝え、ブランドを「ピンクやオレンジなどのカラーでおなじみ」と書いています。いまの売り場では、つめかえ用の袋が本体のボトルと並んでいます。
中学生のころに覚えた人と、勤めに出てから手に取った人とでは、同じ名前でも思い出す場所が違います。前者には部活のあとの家の浴室があり、後者には寮の共同の洗面所や、借りたばかりの部屋の狭いユニットがありました。家族で一本を使い回していた家では、残りが少なくなると逆さに立てて置かれ、最後の一回分を誰が使うかで小さなもめごとも起きます。エッセンシャルのボトルは、あなたの家の浴室で、どの棚の、誰のボトルの隣に立っていましたか?
花王のエッセンシャルを思い出す三つの手がかり
- 花王のエッセンシャルにまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
- そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
- いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。
出典と編集方針
このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。
- 花王 公式note「秘蔵資料とともに振り返る、花王のシャンプーの歴史と今」
- 花王 My Kao「秘蔵資料とともに振り返る、花王のシャンプーの歴史と今」
- WWDJAPAN「エッセンシャル」メンズライン「フリーアンドイージー」の記事
- 編集確認日:2026-11-03。出来事の事実確認と、個人の記憶・感想は分けて記載しています。