あアノコロ記憶のタイムマシン
50代 音楽

昭和56年(1981年)ごろのローランドのTB-303|ベースの代わりに一歩ずつ音を並べた机の上の小さな箱

ローランド自身が「風変わりな箱」と呼んでいる機械です。昭和56年〜昭和60年(1981〜1985年ごろ)のローランドのTB-303について、同社の製品ページで1981年の発売と当初の狙いを、ローランドの記事で設計者と生産を終えた年、その後の行き先を確かめました。

昭和56年〜昭和60年(1981〜1985年ごろ)のローランドのTB-303を再現したイメージ。夜のアパートの小さな部屋で、低い木の机の上に、奥の縁に黒い丸いつまみが並び手前に小さな平たいボタンが並ぶ、本ほどの大きさの銀灰色の平たい箱が置かれ、黒いコードが一本つながり、横に無地の小さなカセットレコーダーがある。
昭和56年〜昭和60年(1981〜1985年ごろ)のローランドのTB-303を再現したイメージ。夜のアパートの小さな部屋で、低い木の机の上に、奥の縁に黒い丸いつまみが並び手前に小さな平たいボタンが並ぶ、本ほどの大きさの銀灰色の平たい箱が置かれ、黒いコードが一本つながり、横に無地の小さなカセットレコーダーがある。(イメージ)

50代の時間軸

ローランドの製品ページによると、同社は1981年にTB-303を、通常のベースギターをまねるためのコンピューター制御のベース・マシンとして発売しました。人気はふるいませんでした。同じローランドのTR-06のページは、リズム・マシンのTR-606がTB-303の相棒として1981年に出たと書いています。ローランドの記事では設計者は菊本忠男で、TB-303は1984年に生産を終えています。

TB-03の製品ページが、TB-303と同じだと書く操作子は、カットオフ、レゾナンス、エンベロープ・モード、ディケイ、アクセント。入力は、音の高さ、長さ、ステップを分けて打ちこむ方式でした。

机の上に置くと、本ほどの大きさの箱です。ボタンを一つ押すたびに音の高さを決め、次に長さを決め、また次の一歩へ進む。ベースのフレーズのつもりで並べた音を鳴らすと、思ったより硬く、電子的にうねって聞こえました。スピーカーの前で、カットオフのつまみを少しずつ回していくと、こもった低音が開いていき、レゾナンスを上げれば、音の頭に鳥の鳴き声のような癖がつく。部屋の明かりを落とした夜、隣の部屋に響かないよう音量を絞って、カセットレコーダーの録音ボタンを押しこむ。テープの回る小さなモーター音のほうが大きく聞こえる晩もありました。並べた音は電源を切るまで繰り返され、つまみに置いた指だけが動き続けます。

いまローランドはTB-303をパソコンの中のソフトウェアとしても出していて、画面の上でパターンを編集できます。手のひらサイズのTB-03には4桁のLEDディスプレイがつき、オリジナルにはなかった表示が並びます。

1984年に生産が終わったあと、ローランドの記事によれば、TB-303は質屋や中古楽器の店に流れました。シカゴの若い音楽家がその一台を手に入れ、つまみを回し続けるうちに、ローランドが1980年代後半のアシッドハウスを決定づけたと書く音が生まれます。新品で買って手放した人と、何年もたってから中古の棚で見つけた人とでは、同じ箱の聞こえ方が違ったはずです。TB-303のつまみを、あなたは最初にカットオフとレゾナンスのどちらから回しましたか?

ローランドのTB-303を思い出す三つの手がかり

  1. ローランドのTB-303にまつわる場所を一つ思い浮かべます。家、学校、駅前、友だちの家など、名前が出てこなくても構いません。
  2. そこで一緒にいた人と、音・匂い・手触りのどれかを書き添えます。曖昧なところは「たぶん」「覚えていない」で大丈夫です。
  3. いまの自分へ一言だけ残します。正解を書く欄はありません。次に誰かとその話をするときの入口になります。

出典と編集方針

このページは、公開資料で時代背景を確認しつつ、特定の世代の体験を一つに決めつけない読みものとして編集しています。地域や家庭による違いがあります。あなたの記憶と違う箇所は、間違い探しではなく会話のきっかけとして扱ってください。